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野村克也氏の「短期決戦の勝ち方」を読んだ感想


短期決戦の勝ち方 (祥伝社新書)

本の内容

 プロ野球界で南海の選手兼任監督として、ヤクルト、阪神、楽天の監督としてチームを率いて日本シリーズ等を戦ってきた野村克也氏が、その経験から、短期決戦の時にどういう準備、心構えをしている方が良いのかを、過去の日本シリーズの名シーンや、名将と呼ばれた監督の戦略等も踏まえて説明しています。

短期決戦の特徴

 短期決戦では、一つのミスがその後の展開を多く左右することが普段よりも多くなったり、レギュラーシーズンでは調子が良かった選手が日本シリーズに入って不調になるなどといったこともあります。調子の良い選手と悪い選手の見極めがより重要になってきます。

 しかし、基本的な考えはレギュラーシーズンと同じで、絶対的エースがいて、守りもしっかりしていれば大負けすることは少なく、ペナントレース全試合勝つ采配をする必要が無いように、日本シリーズでも4勝0敗で日本一を目指す必要は無く、時には負け試合を作って次の試合に備えて戦力を温存させるといった戦い方も必要になります。

クライマックスシリーズは本当に優勝チームにとって有利なのか?

 現在のペナントレースでは、ご存知だとは思いますが、1位でリーグ優勝をしたとしてもクライマックスシリーズに勝つことが出来なければ、日本シリーズに出場することが出来ません。

 クライマックスシリーズは、リーグ内で1位から3位までの球団が、日本シリーズの出場権をかけて第1ステージ、第2ステージを戦い、制覇したチームが日本シリーズの出場権を獲得するというシステムです。興行収入等の目的で2007年から両リーグに導入されました(パ・リーグは2004から2006までプレーオフ)。

 第1ステージは2位と3位の球団が2位の球団の本拠地で3回戦い、先に2勝したチームが第2ステージに進出出来ます(引き分けでも再試合は行わず、勝ち数が同じになった場合は2位の球団が勝利)。

 第2ステージでは第1ステージの勝利球団とリーグ優勝球団がリーグ優勝球団の本拠地で6回戦って先に4勝したチームが日本シリーズの出場権を獲得出来ます(2008年からリーグ優勝球団には1勝分のアドバンテージが与えられる。また、勝ち数が同じになった場合はリーグ優勝球団が勝利)

 この制度のメリットとしては、2位と3位のチームにも日本シリーズに出場できるチャンスが与えられるので、リーグ優勝が決まってもモチベーションを保つことができ、日本一になれる可能性が出てきます。

 しかし、デメリットもあります。1位のチームにとってはリーグ優勝したにも関わらず、日本シリーズに出場出来ない可能性があります。現に、2007年、2014年の巨人、2010年のソフトバンク、2017年の広島、2018年の西武はリーグ優勝しましたが、クライマックスシリーズで敗れ、日本シリーズに出場することが出来ず、選手、ファンは相当ショックだったと思います。

 たとえ1勝分のアドバンテージがあり、本拠地で試合が出来るとはいえ、2位か3位の球団にとっては敗者復活戦のようなもの。リーグ優勝を逃してしまったので、もはや負けても失うものは無く、その分吹っ切れてプレー出来ます。それに対して1位の球団は「勝たなければこれまでの戦いが水の泡」と考えてプレッシャーを感じてしまう所があると思うので、心理的には不利です。

 そのため、クライマックスシリーズには反対意見も多いです。廃止にしろとは言わないまでも、勝率5割以上とか、ゲーム差が10ゲーム以上ある場合は実施しないといったルールが必要であるかもしれません。

2リーグの差が大きくなっている

 2000年代でセ・リーグが日本一になったのは、2000年、2002年、2009年の巨人、2001年のヤクルト、2007年の中日が日本一に輝いています。

 しかし、2010年代に入ると、2012年の巨人しかなく、他は全部パ・リーグ球団が日本一になっています。これを見ると、監督の戦略というよりも、パ・リーグの方がセ・リーグより強いのが理由なのではないかと思います。現に2010年のセ・パ交流戦では上位6位を全てパ・リーグが独占する形でした。現在でもセ・リーグにとって交流戦は「5割なら御の字」という見方もあります。

 パ・リーグの方が球場の広さや強いチームを作るための長期戦略の面等で大きく上回っているのだと思います。ソフトバンクでは補強だけでなく育成環境にもお金を使って整えたりしています。

 昔は巨人戦が地上波で当たり前のように放送していましたが、今では放送しないことも珍しくありません。逆にパ・リーグは露出度が増えてきましたし、FAで巨人以外の球団に入る例も増えてきました。

 今では巨人が中心の時代ではなくなりました。

強い組織を作るには

 今の監督は成績が振るわなければ1,2年で解雇されてしまいます。今の社会では情報が目まぐるしい速度で変わっていき、スピードが重視されているためだと思いますが、いくらスピード重視でも努力に即効性が無いのは変わらないし、良い結果を出すには時間が必要なのです。なので、現場だけでなく、フロントも辛抱強く待つことが求められるのではないかと思います。

 そうすれば監督も来年の契約の心配を考えず、チーム作りに専念出来るようになると思います。チーム作りは共同作業なのです。

 早食いより、よく噛んで食べた方が体に良いというように、早ければ良いというものではないですね。

 

 この本は昔の日本シリーズに関しての詳細もあるので、生まれる前の野球界を知りたい人や、リーダーとして部下を引っ張っていく人にとっても参考になると思うので手に取ってみると良いと思います。

 

 今回のお話は以上です。もしよろしければ他の記事もご閲覧お願い致します。

 最後まで読んでいただき、どうもありがとうございました♪