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【書評】首都感染 (講談社文庫)

 どうも。takaです。今回はこちら、高嶋哲夫氏の作品、「首都感染 (講談社文庫)」の感想です。

 


首都感染 (講談社文庫)

 

あらすじ

 20XX年、中国でサッカー・ワールドカップが開催された中、遠く離れた場所で致死率が6割の強毒性インフルエンザが出現し、ワールドカップが中止に追い込まれるほどの状況にまで進み、さらにワールドカップ観戦に来ていた大量の帰国者と共に持ち込まれたウイルスは各国に広がっていき、瞬く間に蔓延しました。

 日本は事前に情報を仕入れ、対策を施していたため、他国に比べて感染者の数は少なく、範囲もほぼ東京のみに留めることが出来ましたが、日に日に感染者の数は増えていきます。

 そこで、東京以外の各県に感染者を出して日本中に蔓延することを防ぐため、政府は東京を封鎖することに踏み切りました。

 この作品は、そんな状況を打開すべく政策を考える官僚、感染者の対応に追われる医療関係者達の姿が描かれています。

感染症を防ぐことは戦争でもある

 東京を封鎖することによって他県へ広がるリスクは防ぐことは出来ましたが、東京に住んでいる人は常にいつ自分が感染してもおかしくない。ましてや発症したら死亡する可能性が高いため、死の恐怖に駆り立てられて東京から抜け出そうとする人が出てきます。

 

 東京を封鎖することは東京都民の自由を完全に奪う行為であるので仕方が無いのですが、たった一人でも封鎖線の突破を許してしまえば、他県へのウイルス侵入を許すことになってしまい、封鎖の意味が無くなってしまいます。

 なので、封鎖線を警備している警官、自衛官に対し、国は封鎖線を破ろうとする人達に対して発砲許可を出しています。

 基本的に個人の意思は尊重されるべきですが、そんなことを言っていられる状況ではありません。

 そんな中、1人の若い警官は、無理矢理突破しようとした人に対して発砲し、負傷させるというシーンがあります。

 銃を国民に向ける行為は、本来ならば決してやってはいけない行為ですが、その結果、封鎖線の突破を防ぎ、日本中の人々の命を救ったのです。

 

 このシーンは何とか国全体を守ろうとする政府と自分の意思を貫きたい国民の戦争とも言えると思います。

人間とウイルスは共存するもの

  ウイルスは発生した後、突然変異することがあります。これは消滅しないようにするためだといいます。ウイルスも生き残るために必死なのです。

 

 そして、生きている人間の体内にいるからウイルスは生存することができ、宿主が死んでしまえばウイルスも消滅してしまう。

 つまり人間がいなければウイルスも生きていけない。なのでウイルス自体は宿主の命を奪うつもりは無い。

 

 そのため、「ウイルスは悪と見なすべきでは無い」「ウイルスにも生きる権利がある」とウイルスに同情してしまいました。

  

 この本を読むとウイルスに対する見方が変わると思います。コロナに対する怒りも、もしかしたら無くなるかもしれません。


首都感染 (講談社文庫)