本が友達の大人の読書感想文

自分がこれまで読んで気に入った本。漫画、小説、ビジネス書、ジャンル問わず紹介致します!!

【書評】カラフル

 どうも。takaです。今回は、森絵都さんの小説、「カラフル(文春文庫)」を読んだ感想について書いていきます。

 


カラフル (文春文庫)

 

ストーリー 

 生前の罪により、輪廻のサイクルから外されましたが、抽選に当たったことで、輪廻のサイクルに戻ることが出来るチャンスを与えられた魂が、自殺を図った少年の体の中に入り、その少年として再び人間界で生きることになった物語です。

どんな環境でも、良い人生を送れるとは限らない 

 主人公は、新たな環境で再スタートを切りましたが、最初の方で参ってしまい、その際天使に「どんな場所に生まれ変わっても、生まれつく世界は変わらない。前世に自分の身に起こったことは、来世でも起こり得る。それはどんな人の人生でも」と愚痴をこぼします。

 

 これは、どんな人生でも楽しい人生を送れる保証は無い。という意味です。

 

 例えば、多くの人が憧れる職業といえば、芸能界とかプロ野球選手です。

 

 ドラマや映画で格好良く映ったり、バラエティー番組で楽しそうにトークをしている様子を見て、「自分もテレビに出たいなあ」と思うのではないでしょうか?

 

 しかし、見えるのはあくまで一つの側面に過ぎず、番組の制作までには多くの時間、お金がかかり、出演者の人達もハードです。

 

 売れているうちは仕事が舞い込んできますが、その間はハードで全然眠れない状況が続いたりすることもあるし、かといって断ればお呼びがかからなくなって仕事が無くなる。といった状況に陥ることもあります。

 

 「仕事はあるうちが華」というように、仕事が来ればありがたいと思って引き受けなければいけない。まるで血を吐いても走り続けなければいけないマラソンです。

 

 プロスポーツの世界も生き残れるのはわずかで、結果が全て。自分が引退したいと思ったタイミング以外で辞めてしまうことの方が多く、過酷な世界。子供はそういった側面をまだ知らないから平気で「将来の夢はプロ野球選手になること」と語るのです。

 自分も小学校の卒業式でそう言っていました。

読み進めていくと、段々感動してくる

 ストーリーが進んでいくことで、生活にも馴染み、生前の様子に比べて雰囲気が良くなったのか、話しかけてくる人が増え、人間関係も段々と良くなっていきます。

 

 そして、自分がずっと悪意を向けて避け続けていた家族とも、それぞれ話し合い、しっかり向き合うようになります。

 

 避け続けた原因が、最初にガイドの天使から家族の裏の顔を聞いたことなのですが、そんな家族の本音を自分でしっかり聞く姿勢を持ったことが、個人的にものすごく泣ける気分になっていきました。

 

 とはいえ、人から聞いた噂だけで決めつけてしまったというのは、良いことではありません。確かに悪口を聞くと、その人に対して良い印象を抱きにくくなりますが、人の良し悪しを判断してはいけない。自分の目で本当の姿をしっかり見て判断しないといけないですね。

幸せは人それぞれ

 最後に、人生幸せに感じなければ負けです。

 裕福な暮らしだから幸せ。貧乏だから不幸。それは偏見です。

 裕福な人には裕福な境遇から来る不幸、貧乏だからこそ感じる幸せもあります。

 お金はあくまで自分の武器の1つに過ぎず、それをただ漠然と使うのではなく使いたいと思ったものに使わなければ仕方がありません。

 自分にとって何が幸せなのか考え、それを追い求めること。それが人生楽しく生きる方法なのです。

 

 この作品は感動するし、自分の境遇について色々考えるきっかけにもなります。


カラフル (文春文庫)

【書評】放課後は喫茶店で

 どうも。takaです。今回はこちら、あずさきなさんの作品、「放課後は喫茶店で(comic POOL)」についての感想を書いていきます。

 


放課後は喫茶店で: 1 (comic POOL)

ストーリー

 主人公の柳凛久は、スターバックスコーヒーのような現代風なカフェよりも、古き良き雰囲気が漂うレトロな喫茶店を好みます(基本的に嗜好は渋い)。

漫画

出典:放課後は喫茶店で あずさきな (comic POOL)

 

 そこである日いつものように古い喫茶店を見つけて入ったら、そこはクラスメイトの伏見瑛都の家が経営している喫茶店でした。

 もともと異性として彼に興味があった凛久は、このことがきっかけで、瑛都と接点を持つようになり、会話をするようになります。

 

コミュニケーションが苦手でも、誰かと親しくなることで変わる

 瑛都は学校で上手くコミュニケーションが取れず、孤立気味で、凛久に学校で話しかけられてもどういう風に接すれば良いか分からず、つい素っ気ない態度を取るシーンがあります。

 本人には悪気は無いのですが、凛久の友達から反感を買われてしまいます。

 

 こういう光景、偶然知り合いにあった時緊張したりしてつい見てみぬふりを反射的にしてしまうので何か分かります。

 

 この原因として、接し方が分からないことに加えて、自分はコミュニケーションが苦手で、友達もいないから、相手は自分のことを嫌っているのではないか?とか、うっかり失礼なことを言って嫌われるのではないかという心理があるからなのではないかと感じます。

 

 コミュニケーションが苦手な人は、会話に慣れていないのでそういう所の見極めが出来ないのです。

 

 しかし、瑛都は凛久と関わっていくことで、コミュニケーションを自発的に取ろうという気持ちが芽生えていきます。

漫画

 出典:放課後は喫茶店で あずさきな (comic POOL)

  

 まずは勇気を出して人に歩み寄ってみる。そんな所から、誰かと親睦が深まり、自分に自信がついて堂々と挨拶出来るようになるんじゃないかって思います。

古いものにも美しさがある 

 

 今の時代、古いものは新しいものにどんどん置き換わっていきます。

 

 これまで不便だなと思ったものが便利になるのは良いとは思うのですが、形姿が変わってしまうと、もう見られないんだなという気持ちになって複雑です。

 

 電車でいえば、これまで好きだった車両の運用が終わってもう見られなくなってしまうとかですね。

 自分も平成生まれではあるけど聴いて魅かれる昭和の歌があってそれにハマって、歌詞を覚えてカラオケで歌うようになりました。なので、何にしても「古い」という理由で笑われたら本気で殴り飛ばしたくなります。

 

 古いとか新しいとかで良し悪しは決められません。良いものはずっと支持されるのです(古典等)。

 

 古いものにも素晴らしいものがある。改めて認識させられました。

 

 コーヒーと一緒に読みたくなる作品です。


放課後は喫茶店で コミック 1-4巻セット [コミック] あずさきな

【書評】タイム・マシン 他九篇 (岩波文庫)

 どうも。takaです。今回はこちら、「タイム・マシン 他九篇 (岩波文庫)」についての感想を書いていきたいと思います。

 


タイム・マシン 他九篇 (岩波文庫)

 

内容

 「この先地球ではどんな未来が待っているのか?」

 タイムマシンを発明し、八十万年後の世界に行って戻ってきた時間旅行家が語る、衰退した地球の文明を描き出した不朽のSF古典です。

 その他放つ光が場所によって異なる水晶について描かれた「水晶の卵」、服用するとものすごい行動が速くなる薬「新加速剤」といった話、全9篇収録されています。

タイムスリップは可能になるのか?

 自分は小学生の頃、「ドラえもん」の影響でタイムトラベルに憧れ、自己紹介で「欲しい物は何か?」の欄にタイムマシンと書いていました。

 

 歴史の教科書を見て過去を知るだけでは満足出来ず、過去に行って生の徳川家康とか、昔の暮らしをこの目で見たいと思っていました。

 

 今はそれに加えて自分が小さかった頃の時代に戻って、その時流行っていた文化にまた触れたいという願望を持つようになりました。スーパーファミコンとか、ポケモン、ゲームボーイ、通信ケーブルとか、あと、当時気に入らなかった同級生や通学班の先輩に報復したりとか……

 

 そしてタイムスリップは可能になるのか調べるようになり、可能だという意見も見たのですが、開発される前の時代には戻れないというデメリットがありました。

 

 ショック……

 

 「未来の人間が来ていないのだから不可能」という意見は、外で見る自分以外の人達はどこに住んでいるのか、名前すら知らない人達なので、混じっていたりするんじゃないかと思っています(笑)。

 

好奇心が人を動かす

 各物語の中で登場する中心的な人物は、みんな好奇心旺盛で、自分が知りたいと思っていることについて徹底的に色々試したりしています。

 

 自分が観たいと思っている映画のネタバレにもついつい手を出してしまうように、好奇心というのは人を洗脳してしまうほど強力で、人は自分が知りたいと思ったらどうしても動いてしまうのです。

 

 そして、もし仮に時間旅行が出来るなら、たとえ未来の世界は年金がもらえない時代(実際年金は簡単にもらえなくなるような仕組みではない)等、自分が大分歳を取った後の世界が暗い未来であったとしても、見たいし、知りたいです。

 

 この作品は、SFが好きな人は目を奪われます。科学は素晴らしいです。


タイム・マシン 他九篇 (岩波文庫)

【書評】ペスト

 どうも。takaです。今回は、フランスの作家、アルベール・カミュ氏の著書「ペスト」についての感想を書いていきます。

 


ペスト(新潮文庫)

 

ストーリー

 北アフリカに位置するアルジェリア。その都市であるオランでペストが蔓延し、病人の対応や、普段と異なる街の様子、暮らしに困憊する医師や住民の姿が描かれています。

 

コロナが蔓延している時期だからこそ感じるものがある

 2020年に入って、新型コロナウイルスが猛威を振るい始め、感染が広まっていく中、緊急事態宣言も出されて多くの店が休業になった状況下で、この本は本屋の目立つ場所に置かれるようになり、関心が高まっています。

 

 この本は、そのような状況だからこそ読んで身近なものだと捉えられ、共感出来る所が出来ます。

 

コロナは特別なことじゃない

 歴史を勉強すると、ある病気が流行っていたことが書かれているし、結核も昔は「不治の病」と言われていました。

 平成でもO157や狂牛病、新型肺炎SARS、新型インフルエンザといった病気が発生し、死者も出ました。

 

 このコロナウイルスは決して特別な存在ではないのです。

 ワクチンが開発されて国民に付与され沈静化したとしても、新しい病気は今後とも出てくるだろうし、安心は出来ません。

 

 そもそも毎年冬になるとインフルエンザが流行るし、病気というのは常に自分達の身近に存在するものだということを忘れてはいけません。普通の風邪でも絶対に死なないという保証も、タバコを吸わないからといって肺がんにならないという保証もありません。予防はあくまで感染する確率を下げる効果はあっても、完全に防げるという訳ではありません。かかる時はかかります。

 

 これまでも、そしてこれからも、生きている間はずっと病気と共存していかなければならないのです。

 

 この本は読むことで病気の脅威を知ることが出来るので、これから生きていく上で大変役に立つと思います。


ペスト(新潮文庫)